2005年11月

秋の眩暈

天高し 禁断詩篇をブラウスの内側に抱く秋の眩暈

亡霊の群れがしづかに秋風と手を組みたりし気配さはさは

アトラスの息に吹かれて鰯雲散らばりてゆく秋の夕なり

恋人は熾火色した月の夜に変身を終へわたしをいだく

天の川まさかカロンはゐぬゆゑにまばゆき星を踏みてゆくべし

野分あと掻き集めたる悪の華ボードレールの眼光強き

濃い霧のみづべで垂らす釣り糸は銀の鱗を擦りてゐたり

稲妻にうたれて奇し色硝子 ヨハネの首は皿に置かれる


at 21:37コメント(0)トラックバック(0)短歌 
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